WORKS
2025.04
Renovation / Reform古民家リノベーション – 『もういちど、この場所で』
築70年のご実家を、息子様ご家族がお母様と共に暮らすためにリノベーションしたK様邸。長年の歴史を刻んできた住まいを活かしながら、現代の暮らしに適した快適な空間へと生まれ変わらせることが求められました。
※なお、K様邸のリノベーション事例はTDYリモデルスマイル作品コンテスト2024で優秀賞をいただきました!

K様邸は、築年数の経過による劣化や断熱性の低さに加え、昔ながらの間取りで家事動線の不便さが課題となっていました。さらに、震災や水害の影響で柱や基礎に歪みが生じ、水廻りの老朽化も進行。高齢のお母様が安心して暮らせる環境を整えること、そして思い入れのある「嫁入りダンス」や障子、床の間を残しつつ、三世代がそれぞれ快適に暮らせる工夫が求められました。

設計担当者自身の介護経験をもとに、「介護する側・される側」の視点を踏まえた住まいを計画。お母様の寝室はご夫婦の寝室の近くに配置し、安心できる環境を整えました。また、生活時間帯の違いにも配慮し、夜遅く帰宅する息子様が就寝中のお母様に気を遣わず過ごせる動線も備えました。
水廻りでは、脱衣場と洗面コーナーを分け、お母様の介助スペースを確保。お母様の部屋のトイレはベッドの近くに配置し、清掃性を高めるために耐水性の床・腰壁を採用。さらに排水口を設けるなどの工夫を施しました。

住まいの記憶を大切にしながら、機能的な空間へと再構築。美しい木目の「栃」を使用した違い棚は、磨き上げて床の間に活かしました。抜け落ちた組子の部材は丹念に修復し、「嫁入りダンス」の扉は機能的な間仕切りへと生まれ変わっています。
和室の抜けない柱は、仏壇小物や寝具収納として活用。リビングの耐力壁は、デザイン性を高めるアクセントウォールとして仕上げました。
また、床の間、玄関ニッチ、玄関の手洗いコーナーにRのデザインを施し、デザインの統一感を高めています。

打ち合わせでは、具体的なイメージ画像をもとに進められ、納得のいくプランを実現。「キッチンの広さや使い勝手の良さ、夏の過ごしやすさにも驚いた」との感想もいただいています。
中でも印象的だったのは、お母様の反応。「バンザーイ!」と涙を流して喜ばれる姿に、ご家族もスタッフも感動しました。






















